会社のロゴにひらがなを使うと言うこと

会社のロゴと言うのは、そのビジネスの礎となる理念や理想、思いを一目で表しブランディングをする上で印象を左右する大切な顔ではないかとしばしば感じます。選択肢は無限にあるだろう中でなぜ敢えて日本語のひらがなをモチーフにしたデザインを使用するのか、それが見る人にとって心地よく身近に感じられるものである必要性も踏まえていくつかの側面から考えてみたいと思います。

会社で複数のロゴを使うメリット

ひらがなの発祥

奈良時代に入り日本最古の書物である日本書紀や万葉集が編纂されたときには中国から入ってきた漢字を使用していますが音は訓読みにされ、やがて漢字を崩して使われるようになっていったのがひらがなの始まりだと言います。

その際に、漢字本来の音と訓読みと言葉の意味を組み合わせて日本語を表記しようと試行錯誤し編み出されたものが日本のアルファベットと言うべき46文字のひらがなであるとすれば、そこには日本独自の文化や生活背景が凝縮されているように思います。

ひらがなの温もり

もともと文字を持たなかった日本にとって中国から漢字が入ってきてかな文字が生まれ、そのおかげで家族や男女間、商業の場において書面による気持ちのやりとりや意見が交わされる新たな文化が始まったことを考えると、ひらがなのシンプルな字形の中に日本の歴史を感じると共に日本人が良い塩梅でバランスよく日本人流に他文化を取り入れてきた器用さやクリエイティビティー、また大切な財産であることを感じます。

ひらがなをロゴにするデメリット

日本で生まれたアニメや漫画が今や20ヶ国語近い言語で読まれていますが、日本語をアニメや漫画で学んだと言う外国人の方も少なくなく、日本語は世界の母語人口ランキングにおいて9位に着け1億2500万人に使用されています。

しかし、1位2位を占める中国語や英語に比べると人口数的には低くなりグローバルに見れば統計的には認識されにくくなります。また文字の力を考えた場合でも、消費者が商品を注文したり口頭で情報交換するときに名前を呼ぶことができる方が都合が良いように、ロゴが社名そのものになっている方が正式名で記憶に残り易いと言う違いはあると思います。

一方で、中には外国人だからこそ好む推しのひらがな文字と言うのもあり、見た目の可愛さや絵から由来した形が好きだと言う主観性で好まれるケースもあるようなので、そこから会社のロゴにも興味を持たれたり親近感を感じる可能性は否めません。

ひらがな文字にした自治体の例

日本各地で市町村の名称の変更が都度行われることがありますが、漢字からひらがなに変えられた理由や背景には、広く認識され浸透しやすいこと、古くから歴史にその名前が散見したこと、漢字に比べて優しく柔らかいイメージがあることなどが挙げられています。

また、それをより多くの人が名称として相応しいと感じるかどうか住民に採択されたことを考えると、同様に、会社の社員がそのロゴに込められた思いを念頭に高い志気を持って働きたいと思えるかと言う部分に相当するのではないかと思います。

ひらがなの認識度合

日本語を理解する人にとって、ひらがな一文字のデザインは見た目にとても分かり易いのは明らかだと思います。

ロゴ商標はその会社が提供するあらゆる商品やサービスに付けられることが多く、社章や看板、名刺などにも表示され文字商標に比べて人の目に触れる機会が多く、日本人は4~5才くらいからひらがなの文字の読み書きの練習を始めることを踏まえれば、あらゆる環境でひらがなで目に入る文字を認識する年齢層の幅は広がり、さらにそれをデザイン化したものはより識別力が強くなって印象に残りやすいのではないかと思います。

コーポレート・アイデンティティを考える

そもそもコーポレート・アイデンティティと言うのは単純にロゴではなく、企業理念と社員の働きが伴って成り立つものであると思います。時代や社会環境に合わせて日々変わっていく部分と、変わってはならない根幹の部分である会社の価値観や使命があったうえで、会社と社員の気持ちがどこに向かっていくかそれを常に意識し気持ちを一つにできるようにリマインドさせてくれるものが日々目に入るロゴに込められているデザインではないかと思います。

出社したときに通るドア、商談をする際に交換する名刺、書類を送る封筒、胸につける社章、テレビや雑誌、世の中で目にする広告、社内で使う文房具等の備品など仕事をしていても社員の方は洗えるところでそしてそれを支える消費者の方々も洗えるところで目にしているロゴは文字にして説明しなくても会社らしさを一目で伝える誇り高き印だと思います。

ひらがなのロゴ作成

実際にひらがなのロゴを作成することがなかなかピンとと来なくても、会社のロゴの作成請負をするクリエイターや企業が存在します。

完全にひらがなだけにしなくてもアルファベットや漢字と組み合わせるデザインや手法などもあるので、日本の和の心を大事にしながらも海外や外国を意識したコラボレーション性のあるデザインも可能です。

また、伝統を大事にしてレトロさを残したものや公共性を考えたもの、色味においても日本古来の伝統色を使ったものなど幅広い放送が可能だと思います。

繋がるを意識して

ひらがなが中国から入ってきてひらがなが発祥し始めた頃から約1300年が経ちます。西洋や中国から漢字やアルファベットの文化が入ってきても日本が完全にその文化に取り代わらず日本の文字文化が今に伝わってきたその先代の偉大な功績や叡智の賜物であるひらがなを、さらにこの先も日本の大切な文化として使いながら残していけるように考えていくことも大切だと思います。

グローバルな時代において横文字もかなり一般的になってきました。電話もインターネットなどがなく手で書くことしか通信手段がなかった時代に日本人がひらがなを一から使い始めたように、日本語の基本であるひらがなに魂を込めて気持ちを表現し、どうやったらこの先の未来で今の時代がつながっていくのか、それをみんなで考えられる会社が社員の方と共に繁栄していき、誰もが想像しなかったこのコロナの時代を新たな気持ちで進んでいけるのではないかと感じます。

一目でわかるロゴに会社の何を込めたいか

日本の文字文化の上でひらがなが生まれた時点が日本人のアイデンティティの発祥であり原点と考えれば、一度そこに立ち戻り、コツコツと丁寧に努力し創り上げる繊細な日本人としての個の心を忘れないよう日々目に入るロゴに端的に込めることで社員の方々を鼓舞激励することが、引いてはそれがグローバルでタフな時代に会社が存続していく上でも大切な指針につながるのではないかと思います。

関連リンク>会社 ロゴ … 【業界No1】18,000社超のロゴ作成実績|ロゴ作成のビズアップ